地域支援部だより第4号を発行しました。(地域支援部)

地域支援部だより第4号

 寒さもやわらぎ、春の訪れを感じる今日このごろですが、皆様にはますます御健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、今年度も卒業式のシーズンを迎えます。児童生徒の成長を感じ させられる時期となりました。本校から社会へ巣立っていく高等部卒業生が、新しい生活への期待で満ちあふれている表情を見ると、頼もしく感じます。そこで、今回は様々な思いを抱いて旅立つ高等部卒業生の思い出や今後の抱負、保護者の方の思い出などを掲載したいと思います。


よりよい進路決定を目指して

 日ごろより本校の教育に格別の御理解と御協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
今年度の高等部卒業生19名(本校15名、分教室3名、訪問教育1名)は、保護者の皆様や関係機関の御支援、御協力により、お陰様で一般企業や障害者福祉サービス事業所などに進路を決めることができました。福井労働局をはじめハローワーク、福井県雇用支援協会、各障害者福祉サービス事業所の皆様の御理解と御支援をいただきました賜物と感謝申し上げます。
 卒業後のより良い進路選択のために学校と保護者、また関係機関の御協力を得て、相談や会議を行い連携を深めております。小学部から年度ごとに支援計画を策定し、成長を見据えながら個々のニーズに応じた指導を行っております。また生活・進路説明会を行い、中学部、高等部の学習、卒業後の進路などについて説明をしています。中学部では、生活・進路説明会や中学部3年生個別進路相談会を行うとともに、職場見学・職場体験を行い、早い時期から仕事に対する経験を積むよう取り組んでいます。さらに高等部では将来の進路を見据えながら、1年生から企業、障害者福祉サービス事業所などにお世話になり、産業現場等における実習を行っております。特に3年生は学習の成果を活かし、春と秋に2週間から3週間の実習を行い、卒業後に結びついた実習を行っています。学校と保護者の方が十分相談をし、移行支援計画を組み、各機関の御理解と御協力を得ながら大変有意義な実習をさせていただいております。実習を始め、就労支援相談会や個別支援会議など多くの場面で関係機関の皆様の御理解と御協力、御支援をいただいておりますことに深く感謝を申し上げますとともに、この成果が高等部卒業生全員の進路決定につながっているものと確信しております。
 今後とも、本校児童生徒に対しまして家庭、地域、関係機関が連携して支援ができますように、また、よりよい進路選択に向けて皆様の御理解、御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

教頭 長谷川俊基 


社会への旅立ち

 学校生活を終え、社会へ旅立つ時期にあたり、高等部卒業生および卒業生の保護者の方に、学校生活や現場実習などの思い出やこれからの抱負などを書いていただきました。

卒業生のみなさんから

「修学旅行」

 僕はこのまちにまった修学旅行を楽しみにしていました。旅行中はとても楽しくてうきうきしました。初めていったルスツリゾートでは、たくさんのアトラクションにのれました。おばけやしきや急流すべりなどにもこわかったけどなんとかのれてうれしかったです。白老ポロトコタンでは、アイヌのいしょうをきた人たちがじょうずにおどっていました。ぼくはそれをみて、「なんてうまいんやろ」とかんどうしました。「なんてかわったふくそうやろ」とちょっとおかしくかんじました。旭山動物園では、めずらしい動物もたくさんといました。一番おもしろかった動物はオラウータンです。おもしろいことをたくさんしていました。ホテルからは、きれいな花火も見えました。パチパチときれいなのでおどろきました。ひこうきの中もとても広くておどろきました。キャビンアテンダントさんと写真をとったのもとてもうれしかったです。この4日間の修学旅行は、とてもよい思い出になりました。


「実習について」

 私の三年間の思いでは、現場実習です。実習にいくのは、とてもしんぱいでした。なきたくなってしまいました。実習ばしょの店長さんやそのたのかたが、とてもやさしくて、いつもよくおしえてくださいました。先生もずっとそばで、みまもってくれました。二週間がんばることができました。スーパーで、はたらくことが私のゆめになりました。二番目のスーパーの実習では、ほぼ一人で実習することができました。三番目はパンやさんでした。はじめは何をしたらいいか、はっきりわからずとってもふあんになりました。だれにきいたらいいのかこまりました。パン作りはむずかしいけど、すこしたのしみもありました。三回の実習をやっていろいろなことをべんきょうしました。社会にでても仕事をがんばってやっていきたいです。もらったお金をためていろいろなことをしたいです。


「文化祭について」

 私は文化祭でエーデルワイスの合奏をしました。ピアノを弾きました。間違わずに上手に弾きました。「あなたの夢は」の手話をしました。難しかったです。ナレーションはとても大きな声ではっきり言えました。「次はボディパーカッションです。」とせりふを言いました。羞恥心の野久保君の役をしました。歌も歌ったしダンスも踊りました。衣装も良かったです。上手く出来ました。
 ダンス部で踊りを踊りました。「よさこいイッチョライ」を踊りました。「わたしのまち・ときめきのまち」を歌いました。歌が大好きです。とても上手に歌えました。
 紙工班で販売しました。封筒や金封を販売しました。嬉しかったです。最後の文化祭楽しかったです。

保護者の方から
「卒業を迎えて」

 3年間、楽しい学校生活を送ることができ、お世話になった先生方に心からお礼を申し上げます。他のお子さんと比べて、まだまだ幼くわがままな面もありますが、本人なりに成長できたことをうれしく思います。
 高等部に入って、友達とも対等の人間関係になったからかトラブルもふえ、今まであまり聞かなかったことだけに、どうしたらよいものか戸惑いました。これまでは、周りが譲ってくれたり、対大人の関係で甘えてきたりしたのかなと反省しました。学校での様子を聞き、自分の主張ばかりせずに周りの友達の気持ちも考えることや、決められたことは最後まできちんとやること、みんなの様子を見て一緒に行動することなどを家でも話して聞かせるようにしました。本人は、いたって陽気で、言われても平気でいましたが、この3年間で少しは分かってきたようです。
 本人は、学校が大好きで、大きな病気もせず、バスで元気に通いました。いろいろなことを習いたくさんの体験をさせていただきました。運動会や文化祭などは本当に楽しい思い出です。また、寮生活も楽しかったようで、生活のいろいろなことを習ったり、友達と相談して仕事を進めたりと、家ではできない貴重な経験をさせていただきました。
 4月からは、社会人として、もう甘えてはいられません。がまんしなければいけないことも多くなると思います。仕事をしっかりやってまた新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。先生方、本当にありがとうございました。


「ゆっくりでいいよね」

 息子に障害があると知らされた時、目の前がまっ暗になりました。どうしても悪い方向に考えが走り、周りの子供達と比べてしまう私の目を覚ましてくれたのは、ほかならぬ息子本人でした。
 まず、将来の事を考えて規則正しい生活をさせました。また、人の目を見て話すことが苦手だったので、人の顔を見て話すように言いました。成長と共におこづかいを与え、自分で管理するようにもしました。そうしているうちに、息子自身が自分で考えて行動するようになりました。
 そんな息子の成長は、忘れかけていた感動を思い出させてくれました。そして息子を見ながら、兄の同じ年頃を思い出し、楽しんで接することができるようになりました。
 ここ何年かで息子の成長は、目を見張るものがありました。電車、バスでの通学。いろいろなスポーツ大会。アビリンピック等々。長いはずの12年間があっという間だったのも、息子の成長に驚いていたと言っても過言ではありません。これと言うのも、先生方の根気強い御指導の賜物と感謝しています。親のエゴで先生方を振りまわしてしまった事もあったと思います。
 そんな私達におつきあい下さり、本当にありがとうございます。まだ長い人生、一緒にあわてず、ゆっくりでも確実に歩いていきます。ありがとうございました。


高等部卒業生進路先一覧

卒業生と語る会
卒業生写真

 12月9日(火)・10日(水)に、卒業した先輩方を招いて、「卒業生と語る会」が職業グループの1~3年生と作業グループの3年生を対象に行われました。この会は現場実習を終えた12月ごろに毎年開催しています。
昨年3月まで一緒に学んでいた先輩方に「勤務時間は?」「どうやって通っているの?」「給料はいくら?何に使っているの?」「仕事をしてつらいことは?」「お昼ご飯はどうしてる?」など、自身の実習体験をもとにした質問をして、先輩方に答えてもらいました。先輩方からは、高等部で「いろいろなことをまじめに学んで力をつけるとよい」「いろんな人とたくさん話をするとよい」などのアドバイスがありました。生徒たちは一足先に社会人になった先輩方の頼もしい様子を感じとることができたのではないかと思います。


 小学部では、保護者に本校の生活・進路支援について理解・啓発を図ることを目的に、5月には保護者(希望者)を対象に1回目の生活・進路説明会を学部説明会と兼ねて行いました。1月14日(水)には、小学部6年保護者を対象に2回目の小学部生活・進路説明会を行いました。
 小学部6年生活・進路説明会では、もうすぐ中学部進学を迎えるに当たって、新しく取り組む作業学習や中学部、高等部での進路支援について、保護者と各担任、小学部主任、地域支援部教員と意見交換を行いました。
 中学部・高等部の各地域支援部教員から現場実習や作業学習、進路支援に関する情報提供をしました。6年保護者から御自身の子どもさんの将来の進路や新施設体系、作業学習の作業種、高等部の現場実習などについて、質問が出されました。まだ先のことと漠然としていたけれど、この会に参加して、他の保護者の方の思いや考え、各学部での進路支援の取り組みを知ることができて良かったという声がありました。
 来年度も小学部保護者の方々にとって、子どもさんの家庭生活や将来の進路について、関心を深め、共に考えていけるような会にしていきたいと思います。

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