平成21年度地域支援部だより第2号
小学部生活・進路説明会
小学部では5月9日(土)に学部説明会と兼ねて「生活・進路説明会」を行いました。16家族17名の保護者に参加していただきました。
はじめに、本校の特別支援教育コーディネーターから地域支援部が行う進路相談、進路指導、卒業後支援について説明があり、次に高等部での作業学習や現場実習のVTRを見ました。また、PTAの活動として、子育て講座や教育視察を紹介しました。
その後、「将来に向けて今身につけてほしい力とは?」というテーマに沿って、参加された保護者のみなさんで話し合いました。6年生の保護者の方に6年間で身についたことを紹介していただくと、“発語がないまま入学したが、理解言語については写真や絵カード、言葉で分かるようになってきた”ことや、“自分の気持ちが言えない分、パニックになり他傷になったりしたが、そういうことも年齢とともに減ってきた”といったお話がでました。また、保護者の方から、「土・日の過ごし方は?」という質問があり、地域生活についての話が中心になりました。「たまにはトラブルもあるが、地域の子や近所の人達にも存在を知ってもらい、お互いに分かり合えると良い。」という意見が多く、夏休みのラジオ体操や子供会へ参加している家族もありました。地域でのトラブルの原因についてもみなさんで考え、親がフォローしていくことの大切さも話し合いました。また、土・日の過ごし方や地域に出るために、お稽古ごとという方法もあるという意見も出ました。
小学部生活・進路説明会のアンケートには次のような意見や感想が寄せられ、とても有意義な会となりました。
アンケート感想
- 同じような悩みを持っている方の話が聞けて良かった。
- お母様方の貴重なお話が聞けて良かった。
- 気持ちの切り替えや環境の変化への対応が苦手です。大きな声で反論するのではなく、「イヤ」という表現方法を身につけさせていきたい。
- 地域に出ることはあまり気にしていなかったけれど、先のことを考えると今から積極的になった方が良いなと思う良い機会になった。
- 発語が少し出てきました。いずれは会話ができると良いですが、まずは自分の気持ちを伝えることができるようになるといいと思います。
- 今後も先輩の保護者の方のご意見や体験をお聞きしたい。
学習会、相談コーナー、レクリエーション
6月28日(日)に「第24回同窓会(卒業生を励ます会)」が行われ、その会場にて、年金申請学習会・相談コーナー・レクリエーションを一緒に行いました。
学習会では、地域支援部員より障害基礎年金の手続き等の簡単な説明を行いました。その後、小グループに分かれての質問会を行い、各グループに、アドバイザーとして卒業生OBの保護者の方に参加していただきました。実際の経験談をお聞きしたり、申請書の書き方や診断書についての質問に具体的なアドバイスを頂いたりでき、参加された方にとっては、とても有意義な時間となったようです。
相談コーナーでは、地域のコーディネーター3名に相談役となっていただき、希望された方々が生活にかかわることや就職先での悩みなどを相談されました。普段はなかなか話せない悩みをコーディネーターの方に相談し、不安なことや希望していることなど自分の気持ちをじっくり聞いてもらい、すっきりした表情で帰られました。また、専門的なアドバイスを頂きながら、解決に向けてどのように取り組んでいくかを一緒に考えることで、今後の励みになったようでした。
レクリエーションでは、フルーツバスケットやじゃんけんゲームをして盛り上がりました。フルーツバスケットでは、オリジナルの問題も続々と出され、ユニークな出題に笑いながらも真剣に考えて席を取り合い、久しぶりに会った友達と楽しい時間を過ごしました。
福授園がパワーアップしました!!
鯖江市が鯖江市神明町の多機能型健康福祉施設「神明苑」の敷地内に、障害者就労作業所を建設します。8月末ごろ完成予定で、来年4月から10人を雇用し、就労継続支援A型事業を始めます。その管理運営を行うのが、社会福祉法人「福授園」です。通常の企業に就職が困難な障害者に就労機会を提供し、自立生活の支援を図ります。福授園では、9月以降に設備を整備し、おからの出ない豆腐やみそを作り、鯖江市内の学校給食へ提供し、一般販売も行います。また、「神明苑」の食事メニューや土産品にも活用されます。手作りのおいしい豆腐やみそのできあがりが、とても楽しみですね。
また、当田事業所には新しく作業棟が完成し、1月30日に竣工式が行われました。明るくて広々とした作業場で作業に集中できる環境が整いました。就労継続支援B型として、授産事業に取り組んでいます。作業としては、タッパーの組合わせやアルバムの組立て、箱折りなどで、既に20名ほどで作業が始まっています。
8月25日(火)、福井南養護学校で行われる「職業準備講座」に、「福授園」の方が講師として来てくださることになりました。パワーアップされた「福授園」のお話を聞くことができます。貴重なこの機会に、たくさんの方のご参加をお待ちしています。
職場見学・現場実習
中学部3年生職場体験
今年度も6月17日と18日に中学部3年生が、職場体験を行いました。福井地区と鯖丹地区に分かれて行われた様子について紹介します。
1.福井地区での活動の様子
福井地区では、虹の会福祉作業所とがんばるハウスとに分かれて行いました。慣れない環境で初めは緊張している様子でしたが、次第に落ち着いて、約40分間の作業体験に最後まで取り組みました。
- 虹の会福祉作業所(3名) 作業内容:園芸用支柱の袋詰め
- がんばるハウス (9名) 作業内容:空き缶つぶし、園芸用支柱の袋詰め
ビーズ通し、紙剥がしなど
2.鯖丹地区での活動の様子
鯖丹地区は、福授園当田事業所で行いました。今年度より新しい作業場が増設されましたので、4名の生徒は2箇所に分かれて作業を行いました。例年より作業体験時間を延ばしましたが(75分間)、時間一杯真剣に取り組んでいました。
- 当田事業所作業場1(2名) 作業内容:タッパの蓋付け
- 当田事業所作業場2(2名) 作業内容:墨汁のキャップ締め
保護者の方も11名参加していただきました。熱心に施設の見学をしたり担当者の方と話されたりして、今後の進路を考える参考にされた様子でした。1日の体験でしたが、生徒も保護者の方にとっても貴重な体験だと感じられました。
高等部産業現場等における実習
高等部では、進路指導の一環として年に2回の産業現場等における実習を実施しており、主に次のようなことをねらいとしています。
- 働く力や態度をより確かなものにする
- 自分の適性や進路について関心を持ち、そのための課題を自覚する
- 社会に出て働くことに関心を持ち、職場でのきまりや生産の仕組みを学ぶ
- 卒業後の職場生活にスムーズに移行する
前期は、5月18日より、3年生17名が校外で実習を行いました。個々の能力や特性を発揮するとともに進路決定についての見通しを得る手がかりとすることが大きな目的です。
事前学習や激励会などを通して自分の目標を意識した上で、それぞれの実習先に行き、2~3週間の実習を行いました。新たな課題が見つかった生徒もいましたが、持てる力を発揮し、有意義な実習となりました。
今回の実習の反省や課題となったことをもとに、後期の実習に向けてこれからも頑張ってほしいと思います。
今回の実習でお世話になりました一般企業及び福祉事業所
一般企業
- クリーニング業1社(福井市)
- 食品製造業1社(福井市)
- 製造業2社(鯖江市)
福祉事業所